いつまでも、若々しく、美しくありたい!そんな願いはいつの時代も、性別問わず、人々が活躍するパワーの源になっているかもしれません。
美容鍼の治療に携わり約9年近くになりますが、美容鍼を選ばれる方は美容意識だけではなく健康意識も必然的に高い方、高まっていく方がほとんどです。
美容の悩みに対して対症療法だけでは間に合わないし、根本的に健康でなければ美しさは伴わない
ということを感覚的に理解されるのだと思います。
肌荒れ・クマ・くすみも寝れば治ると10代20代の頃は思っていても、無理ある積み重ねが将来の自分の肌に反映され、私たちを悩ませてしまいます。身体同様、今の肌を作り出したのは自分自身なのです。
目次
【美容でみる東洋医学】身体が出しているサインに気付こう
東洋医学は、病や不調を診るのではなく、その人自身を診る医学。お肌をはじめとした、美容の悩みは身体が出している何らかのサインだと判断します。
- ニキビ:食事の偏りはありませんか?便の状態はどうですか?婦人科のトラブルはありませんか?
- たるみ・しわ:肩こり・頭痛はありませんか?心身は緊張していませんか?胃腸の調子はどうですか?
- むくみ:水分をしっかりとれていますか?塩分を摂りすぎていませんか?慢性的な腰痛がありませんか?
- くすみ:お酒やタバコが過剰になっていませんか?眠れていますか?疲労・倦怠感は強くありませんか?
上記の悩みや、関連する生活習慣・体調は代表的なものなので、人によって原因は様々で複雑に絡み合っています。
これらのサインに気づき、ケアをする。それがナチュラルな「アンチエイジング」
つまり東洋医学的な養生は、心身の健康促進・維持だけでなく、美容にも影響があるということなのです。
多く寄せられる美容の悩みを症状別に詳しく見ていきましょう。
アンチエイジングにおすすめ美容のツボ押し6選
美容の代表的なお悩みに対するツボ押しに加え、それを後押しするツボや体への効果をあわせてお伝えします。
ツボ押しtip
お顔のツボ押しは肌を擦らず、優しいタッチで行なってください。肌の過度な摩擦は、肌バリア機能を低下させてしまいます。洗顔後のスキンケアタイムに行うのも良いでしょう◎お顔の刺激は、リラックス効果がありストレスの緩和にもなります。
ほうれい線ケア&肌を元気にするツボ
ほうれい線は、肌の弾力が低下し、口周りの皮膚がたるんでしまうことで起こります。
「巨髎(こりょう)」:まっすぐ前を見た状態での瞳からまっすぐ下に降りた線と、小鼻の縁の高さを結んだ線が交わるところ
ほうれい線だけでなく、むくみ、くすみ、クマ、乾燥肌にも効果的
です。
合わせてケアしてあげるのにおすすめの身体のツボ「血海(けっかい)」:太ももの内側、膝のお皿の内側の縁から指3本分上にあがったところ
消化器の働きを高め、血(けつ)を補います。皮膚や筋肉に、血が不足することで滋養されず、弾力を失われてしまうのを防ぎます。疲れやすい・冷え・貧血・婦人科症状などにお悩みの方へもオススメです。
眉間のシワや目元のクマ・たるみ&眼精疲労を解消するツボ
眉間のシワに「攅竹(さんちく)」:眉頭にあり、凹んでいるところ
皺眉筋(すうびきん)とよばれる、眉を中央に引き寄せ、眉間に立て皺をつくる筋肉の上にあります。
この筋肉の緊張を取り除くほか、リラックス効果があり自律神経を調整し、心身の緊張をやわらげます。ストレスが強い方、更年期症状にお悩みの方にもオススメ
です。
目元のクマ・たるみに「四白(しはく)」:真っ直ぐ前を見た状態で瞳から真っ直ぐ降りたところにある凹んだところ
血管や神経などが通る、眼窩下孔という骨のくぼみの上にあるため、目の不調・疾患によく使われるツボです。四は広く、白は明るいという意味を持っています。眼精疲労、鼻炎、頭痛にも良い
です。
合わせてケアするのにおすすめの身体のツボ「行間(こうかん)」:親指の付け根の内側、骨の出っ張ったところのすぐ下の凹んだところ
行間は肝のツボです。目の酷使は肝を傷め、肝機能のトラブルは目に出やすいとされています。心身を鎮静させ、痛みを緩和させる効果があります。
頭痛やめまい、イライラなど精神的ストレスの強い方、胸やお腹が張って辛い方にもオススメ
です。
頬のたるみや全体のリフトアップ&頭痛・肩こりの緩和、リラックス
「頭維(ずい)」:こめかみの外側から1センチほど髪の中に入ったところ。歯を食いしばった時に、頭の外側の筋肉が動くところ
顎・歯を食いしばる運動(咀嚼運動)に関わる側頭筋の上にあるツボです。
側頭筋の緊張が取れることで、本来の収縮力を発揮し、頬だけでなく顔の皮膚全体のリフトアップ効果があります。頭痛、眼精疲労、めまい、顎関節の痛みをお持ちの方にもオススメ
です。リラックス効果も◎
むくみの解消+顔全体の血流を促す
「天ゆう(てんゆう)」:耳の下にある骨の出っ張りの後ろでやや下側
耳周りのリンパを刺激し、顔全体のリンパの流れ、血流を促します。免疫力アップにも良いです。胸鎖乳突筋という首の筋肉の上にあるため、首肩こり・顎関節症の症状がある方にもオススメ
です。
「下関(げかん)」:耳の前・頬骨の外側にあり、顎を開けると筋肉が膨らみ、顎を閉じると凹むところ
咬筋と呼ばれる、歯を食いしばる時に力が入る筋肉の上にあります。
咬筋の緊張が和らぐと、顔全体の血流が促進されます。また食いしばりなどが強く、咬筋のコリが強いとエラが張ったように見えてしまうので、ほぐすことで小顔効果もあります。
顎関節症・肩こり・頭痛・めまい・耳鳴りの症状がある方にもオススメ
です。
「腎の気」を補うアンチエイジングの養生
腎気=生命力。腎気を酷使・浪費することは、生命力を削ることにもなり老化を促します。「気の海」の名前の通り、腎の気が集まる場所です。
「気海(きかい)」:下腹部にあり、おへその中央から約指2本分下へ下がったところ
ツボ押しのほか、冷やさぬように腹巻きをしたり冷やさないことも大切。おへその下(丹田)に力を入れて筋力をアップするのもオススメ
です。
まとめ
鍼灸治療や漢方をはじめとする、東洋医学に触れ、日常生活に取り入れることは、自分自身の心と身体を見つめ直す習慣にもなります。
誰よりもあなた自身が、自分を癒し、美しく若々しく、輝かせる力を持っているのです。
私たちは日々、多くの刺激(ストレス)に立ち向かい、心身が活性化され、生きています。そんな過酷な環境に、休むことなく働いている自分自身。
そんな働き者な自分自身に、ちゃんと気づいて、感謝をしてあげる。それが何よりの最強の『アンチエイジング』になるのではないでしょうか。
ここぞとばかりに豊かでナチュラルな健康美を、東洋医学で追求してみてください^^