コロナ禍での様々な自粛や忙しい毎日の中、気血の巡りが悪くなり体調を崩す方が多くいらっしゃいます。
東洋医学では気血が程よく巡っている状態を元気、気血が滞っている状態を病気といいいます。
思考や感情も同じく、考えが同じところでグルグルとまとまらなかったり、イライラしてしまったり。色々な情報にいちいち振り回されたりする事も気血の巡りに関わると考えられています。
運動不足が気血の滞りの原因の一つとも言われていますが、今回はプチ気功で主に気血を巡らす簡単な動きをご紹介したいと思います。
気功とは
気功とは東洋医学の陰陽の考え方のもと、人と自然の統一性、あるいは自然は体の中にあって、その体の自然を生き生きとさせる為のレッスンです。
自分に中にある自然の感覚を取り戻して、気血も思考も程よく巡る爽やかな生き方を目指しましょう!
まずは「自分に矢印を向ける」事から始めましょう。
とはいえ自分と向き合って!なんてとっても難しい事のように感じますよね。いくら瞑想を頑張っても余計なことばかり考えてしまう方も多いと思います。私もその1人です。
そういう時は無になる事は置いておいて、まずは自分が普段感じようとしなかった感覚を感じることに意識を向けてください。
気功の運動は関節や筋肉を動かすことが目的ではなく、身体の中にある骨や内臓の感覚に気づくことが大きな目的です。
心と肉体を切り離さずに自分自身に目を向ける時間を持ってみましょう。
内臓を意識するストレッチ気功×肩回し
まずは肩を回していきます。左の股関節が持ちがらないように左足は大地を踏みしめ右肩を上方向に持ち上げ斜め方向の引っ張り合う伸びを感じてください。そのまま右肩を後ろに回して下ろします。
同時に右足を踏みしめながら左肩を持ち上げて後ろに回す。これを繰り返すだけです。
この時に腕は力を抜いて身体の側面に垂らすようにして肘は曲がらないようにしてください。
最初は斜めに引っ張られるような感覚と肩甲骨の動きを意識して頭や他の部分が動いたり力んだりしないようにしばらく繰り返します。
これだけならただの動的ストレッチですが、ここからプチ気功に入りましょう!
やる事は全く同じですが、意識を身体の中に入れていきます。
斜めに引っ張り合う時に肋骨が引っ張り上げられ肺が持ちあげられる感覚を感じてみてください。肺がここにあるんだ。呼吸のたびに働いて頑張ってくれている肺がそこにあるんだっていう当たり前の事を感じてみてください。
今度は肺が引っ張られる事で胃も引っ張られて、ピピピッと突っ張る様な感覚もあるかもしれません。
そんな風に自分の中に意識を入れていくと普段感じられなかった感覚が呼び戻されていきます。
それだけでも内臓が活性化し免疫力アップにつながります!最初は感じられないかもしれませんが、毎日でも気が向いた時にでも繰り返しやると自分の本来持ってる感覚が蘇ってきます。
同時にそれは自分に向き合うことにもなり、瞑想しても余計な事を考えてしまう、という人にも有意義な時間になると思います。
気功の基本の動き「スワイショウ」
気功の動きには種類もやり方もたくさんあるのですが、今回は気功の中でも最もポピュラーな動きの一つで、巡りを意識したスワイショウをご紹介します。
足幅は肩幅で腕は力を抜いて肘は曲がらないように。まずは体重が真ん中にあるところから骨盤は正面に向いたまま右足、左足と順番に体重移動します。
次に体重が移動する方向に向かって移動する勢いで骨盤より上のウエストのところをひねります。右足体重の時は右にひねり、左足体重の時は左にひねる。
それと同時にその勢いで手が一緒に振り子の様についてくる感じです。この時に骨盤がウエストと一緒にひねらないように注意してください。
骨盤を止めてウエストをひねるという事は中にある内臓が一緒にねじれて刺激されるという事になります。動きはただこれだけですが、内臓が引っ張られる感覚や体重移動する時に足の裏の真ん中に体重がしっかりと乗る感覚を感じてみてください。
出来る方はこの時に舌先を口腔内の上壁に付けて口を軽く閉じて鼻呼吸でやってみましょう。
やり進むうちに腰や肩がリラックスしていき、自分の中に意識を持ってこられるようになると身体も気持ちも余計な滞りが解けていきます。同じ動きを気持ちよく反復することで気血を一緒に巡らせちゃいましょう!
背骨の練習で免疫力アップ
太古の昔人は4つ足から2本足に変化しました。その過程で背骨の動きが小さくなり、内臓の動きが悪くなって起こる疾患もあると言われています。背骨をスムーズに動かして内臓の活性化をはかりましょう。
腕を前から大きく上にあげてそのまま身体を反らせます(この時点で腰が痛い方は無理をせず小さい動くでもok)
腕の力を抜い垂らし、同時に顎を引いて首の骨を後方に突き出します。そこから頸椎、胸椎、腰椎の順番に背骨の一つ一つを後方へずらしていきます。顎を引くのをきっかけに背中を丸めていく感覚です。
その際、背骨の骨と骨の間を広げるように背骨一本一本に意識を集中させて動く。
猫になったつもりで自由自在に背骨を動かして、内臓に刺激を与え気血を巡らし免疫力を上げていきましょう!
当たり前を信じる力、それが気功
当たり前のように毎日働いてくれている自分の体や臓器。
気や血も見えないけれどいつでも途切れる事なく流れています。
私たちはいくつもの見えないものの存在を忘れがちになるけれど、そこを少しだけ感じられるだけで滞っていたものが綺麗に流れたりします。
曇りの日は太陽が見えなくてそこに太陽が無くなったように感じる時もあるけれど、雲の上には太陽は必ずあって、その後私たちを照らしてくれます。
朝があって夜になってまた朝がくる。
そんなことが身体の中でも繰り返されてる。その当たり前を感じる訓練、それが気功です。
当たり前を思い出して、そして感じてその感覚を味わう。それが「自分と向き合うこと」と捉えてもいいんじゃないという風に私は思います。